岸良の盛夏を彩る伝統行事「ナゴシドン」

 鹿児島県大隅半島の太平洋側に位置するまち、肝付町。

 山と海にかこまれたこの町の片隅・岸良地区で受け継がれてきた伝統行事が「ナゴシドン」です。

 盛夏の白い砂浜で、青々とした山と海を背に、600年以上受け継がれてきた神舞を披露します。


町内外からひろく「つなぎ手」を募る

 永らく地域住民によって地道に受け継がれてきたナゴシドンですが、近年は少子高齢化の影響で、担い手が不足しています。

 そこで、この行事と、町指定文化財でもある神舞を新たなかたちで受け継いでいこうという考えから、神舞の舞手や運営のお手伝いとして、町内外から広く参加者を公募する活動を平成28年度に始めました。

 

 参加者には、ただ神舞の練習や雑用をこなすだけでなく、岸良をじっくり味わってもらいたいとも考えました。

 この考えに共感してくださった地域の方々が、参加者の受け入れや神舞の練習、ナゴシドン当日の運営にあたり広く協力してくださるようにもなりました。

 

 よそから参加してナゴシドンや岸良を発見し、つないでくださる人。

 地元から関わることで地域の魅力を再発見し、つないでくださる人。

 

 そんな「つなぎ手」のみなさんのおかげで、

 この行事は支えられています。

2016年の報告書

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ナゴシドンのつなぎ手2016_報告書
ナゴシドンのつなぎ手2016_報告書.pdf
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2017年の報告書

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ナゴシドンのつなぎ手2017_報告書
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600年にわたり受け継がれてきたお祭り

 肝付町岸良地区の平田神社には、1407年(応永14年)に肝付氏11代兼元が神社を修造した際の棟札の記録があります。その頃から神社は領主から崇められており、神舞もまたその頃から伝承されていたのではないかと考えられます。

 

 長い時代を経て、担い手が減り、いくつかの神舞が途絶え、行事が簡略化されるようになった今も、盛夏のナゴシドンは有志によって受け継がれています。

平田神社の8つの神舞

 ナゴシドンで披露する町指定無形民俗文化財「平田神社の神舞」は、もとは四十九所神社(肝付町高山)から伝習されたものです。当時のことを記した資料は焼失するなどして残っておらず、詳しい経緯は定かではありません。

 

 平田神社の神舞は本来8種類あり、ナゴシドンの際などは夕方から夜を徹して盛大に行っていました。

 過去形なのは、現在も継承できる状態にある神舞は3種類しかないためです。

 これまで口伝で継承してきましたが、地域全体の少子高齢化に伴って担い手が減るにつれて、途絶えてしまったのです。

 

 ①座着舞(ざつきまい)

 ②鬼神舞(きしんまい)

 ③山の神舞(やまのかみまい)

 ④田之神舞(たのかみまい)

 ⑤四方鬼神舞(しほうきしんまい)

 ⑥薙刀舞(なぎなたまい)

 ⑦十二人剣舞(じゅうににんつるぎのまい)

 ⑧岩戸舞(いわとまい)

 

このうち、今も振り付けを覚えている人がいて、ほかの人に教えることができるのは

 ③山の神舞

 ⑥薙刀舞

 ⑦十二人剣舞

のみです。

 

近年のナゴシドンではこの3つの神舞に加えて、浦安の舞も披露しています。

こちらは全国の神社で奉納されるメジャーな神殿神楽ですが、披露できる神舞の数が減ってしまったため取り入れています。

山の神舞
山の神舞
薙刀舞
薙刀舞
十二人剣舞
十二人剣舞
浦安の舞
浦安の舞

「平田神社の神舞」と「ナゴシドン」の変遷